旅行グッズとガイドのサイト「世界散歩」ジンベエさんのストーリー ~1人ひとりにピタリと合ったスーツケースを~
DATEキーワードは「人との繋がり」 1人ひとりにピタリと合ったスーツケースを ~ジンベエさんのストーリー~
20歳の時にドミニカ共和国に魅了され移住したことをきっかけに、海外を旅しながら仕事をする道を選んだジンベエさん。その側には常にスーツケースがあり、様々なスーツケースを使用することでメーカーの思いや拘りを知るようになったのだといいます。スーツケース関連の記事で定評を得ている自身のサイト「世界散歩」はどのような思いで運営されているのか、ジンベエさんの旅のスタイルやサイトへの拘りなどを語って頂きました。
ドミニカ共和国に移住したきっかけは?
友人に誘われて中米旅行に行った時にドミニカ共和国を訪れ、カルチャーショックを受けたんです。1日の半分ぐらい電気が通らない時間があって、その時にはご近所さんで集まってコーヒーを飲んだりしてゆっくり過ごすんです。日本と違ってあまりに時間がゆったりと流れていて、こんなところで暮らすのもいいなって。結局20歳から7年間住んでいました。
ドミニカは暮らしてみてどのような印象でしたか?
まず、ラテン特有の人々の大らかさを感じました。また、日本人と比べるとみんな自己表現をするのが得意なんですよね。パッションを感じるというか。それだからか、人と人との繋がりの深い、とても魅力ある国だという印象を受けました。
ドミニカではガイドのお仕事をされていましたが、きっかけは何でしょうか?
なにしろ仕事が無い国なので、どうしたらここで生活しながら食べていけるかを考えた時に、思い立ったのがガイドの仕事でした。日本人にとってはマイナーな国なので、もともとドミニカを訪れる日本の友人などに現地のことを紹介したりしていたんです。ガイドブックに載っていないような穴場のビーチや川下りなど、現地に住んでいるからこそ分かるスポットなどを案内して、ドミニカのことをもっと知ってもらえるように工夫していました。「世界散歩」のサイトもこの頃に立ち上げたものです。
現在は中国と日本を拠点に旅行会社を運営されているとのことですが、旅を通じて心がけていることなどありますか?
私の旅のキーワードとして、常に「人と人との繋がり」があります。以前は日本人のほとんどいない中国の青海省にも住んでいましたが、こんなマイナーな場所を選んだのも、現地でできた友人の影響だったりして。観光地巡りや、美しい景色を見るというのは私にとってはオマケのようなもの。旅のスタイルとして、一か所を深堀りするのが好きなんです。そこで出会った人にフォーカスし、「その国の人」や「〇〇という民族」という枠で一括りにするのではなく、あくまで「その人」個人を見て付き合ってみたい。一人ひとりの個性の違いを楽しみたいんですね。そうやって旅していくうちに、訪れるところも現地に根付いた、あまり日本人が行かないところになっていきました。ガイドブックに載っていない穴場の場所を紹介できるのが、私ならではの強みかなと思っています。
「世界散歩」のサイトではスーツケースのレビューがとても充実していますね。どのような気持ちで記事を執筆していますか?
日本と海外を拠点としていることもあって、スーツケースは私にとってとても身近なものですし、店舗で店員さんにスーツケースの説明を聞いたりして新たな発見をするのが好きなんです。そうして知っていくと、各メーカーさんならではの拘りやスーツケースにかける思いが沢山あって、特徴も実に様々です。ところが、こういったスーツケースメーカーさんの拘りや特徴を、レビューを含め1つにまとめたサイトってなかなか無いんですね。「世界散歩」のサイトでは、これらをできるだけ多くの人にも知って欲しいと思ってスーツケースに関する記事を書いています。店舗を訪れて、メーカーさんならではの工夫や思い入れを聞き、新たな発見をする、それと同じような体験を私のサイトでして欲しいと思っています。
最新モデルや人気カラーなども反映されていますが、情報収集はどのようにされているのですか?
人気カラーやモデルなどの情報は、実際にメーカーさんの店舗に電話をしてお聞きしたりしています。また、プレスリリースをチェックして新作などの情報を得るようにしていますね。
サイトの執筆で拘っているポイントを教えてください。
あくまで、リアルな使用感が伝わるように気を付けています。様々なスーツケースの紹介を読んで、気になるスーツケースがあればそこからすぐにレビューに飛んで深堀りできるというのが、他にはない強みかなと。レビューで紹介しているスーツケースは全て実際に使用していますし、自費で購入したりもしています。ランキングに関しても、ビジネスライクにするならば大手サイトのように売れ筋や巷での人気順に並べれば良い話。そうではなくて、リアルな使用感を含めた独自の判断基準でランキングを作成するようにしています。何を重視したランキングなのか、カテゴリーごとに分けたりもしています。
今後どのようなサイトを目指していますか?
オススメのスーツケースは?と聞かれたとき、その人にピッタリなスーツケースの情報を提供できるようなサイトになればと思っています。つまり、ある特定の人、一定の人にだけ向けるのではなく、あらゆる人がこのサイトを見て、自分にピッタリなスーツケースを見つけられる。そのための情報が網羅されていれば良いなと思っているんです。良いスーツケースメーカーさんと消費者との間に立てるようになれば嬉しいですね。
ちなみに、サイトを通じた売れ筋のスーツケースの特徴はありますか?
売れ筋としては、軽量のものがやはり外せません。LCCなんかは重量制限7キロなどのところもあり、そうなるとできるだけ本体が軽くなければなりません。連動して、フレームもファスナーなど軽量のものが売れています。キャスターの交換ができるものも人気ですね。
最後に、ジンベエさんにとってスーツケースとは、一言で表すと何でしょうか?
スーツケースは「相棒」ですね。海外を転々とした生活を送ってきたもので、スーツケースとは常に生活を共にしてきたという感覚です。ある時は、段ボール代わりに引っ越しに使い、ある時はクローゼット代わりに、食器を置いて食卓として使っていたこともあります。それだからか、ボロボロになっても簡単には捨て難い、工夫して長く使いたいと思っています。相棒としてずっと使い続けられる道具になって欲しいと思っています。
ジンベエさんが個人的に気になっているスーツケースはどれでしょうか?
実は、レジェンド・ウォーカーさんのMalibu5208が気になっていて、購入したところだったんです。
業界全体的にスーツケースの価格が上がっているのに、Malibuは拡張機能、キャスターストッパー、フロントオープンなどこれだけ機能が付いてこの価格。どうやったらこの価格を実現でできるのだろう?と疑問に思っていました。
レジェンド・ウォーカーさんは、例えば、1万円台で高コスパのスーツケースを買おうとすると、世界一のメーカーさんだと思っています。
リーズナブルな部分でも品質的に不安が無い上に、ただ使えるだけでなくユーザーの立場にたって工夫が凝らされている、そこが素晴らしいと思っています。2~3万円以上のモデルには更に工夫や拘り、技術料が凝縮されているので、それを是非皆さんに知ってもらいたいですね。
そう仰って頂けて嬉しいです!Malibuに関していえば、これは本当に企業努力の賜物だと思っています。工場との密な連携によって生産体制が整っていること、開発、輸送、輸入を全て自社部門でまかなえる体力があることが、リーズナブルかつ拘りの詰まった高品質なスーツケースを生み出せる理由なんです。逆にインタビューされてしまいましたね(笑)
おわりに
今回は、中国と日本を拠点とし、旅をしながら仕事をするジンベエさんに、ご自身の旅のスタイルや、「世界散歩」で発信するスーツケースの魅力についてお聞きしました。ジンベエさんの旅のスタイルには、「人と人との繋がり」というキーワードが存在します。スーツケースについても、メーカー側の思い、拘り、工夫を汲み取り、それを必要とするユーザーに繋げることができれば、1人ひとりにピタリと合ったスーツケースを紹介できるのでは、と考えるジンベエさん。これからも、旅や「世界散歩」の運営を通じて、人と人との素敵な縁を紡いでいって欲しいと思います。
インタビュー:斉真希
ライター:藤井麻未