6か月間を海で過ごす 海外クルーズ船員RIKOさんのSTORY ~海の旅は自分を見つめ直すチャンス~
DATE1年の半分以上を海の上で過ごすという、海外クルーズ船員RIKOさん。アイスランドの大自然、ブルネイの穏やかな街並み、そして次なる目的地であるアラスカ。誰もが羨むようなクルーズ旅行を仕事にする彼女が知るのは、海の上だからこそできる「自分を見つめなおす旅」。今回は、RIKOさんの視点で、クルーズ旅行ならではの発見や旅の魅力を語っていただきました。

半年を海の上で過ごす日常 クルーズ船員になった理由
クルーとしてのお仕事を始められた時期ときっかけを教えてください。
2024年の1月から今の仕事を始めました。就職活動では、英語を使って国際的に活躍できる場を軸に、航空業界も検討していました。しかし、航空業界では身長制限などの壁があり、空がダメなら海へ!ということで、クルーズ船のクルーという道を選びました。
一度にどれくらいの期間船の上で過ごすのですか?年間のスケジュールや勤務体制も気になります。
全体では100隻ほどの船を保有していますが、その中で私の会社が乗ることができるのは今のところ16隻です。基本的には、6か月乗船して2か月休暇というサイクルで働いています。一度乗船したら、次の6か月も同じ船に乗ることもあるので、実質次回の乗船で4隻目になりますね。船上ではシフト外でも何かあったらすぐに出動するので、実質24時間気が抜けない状態です。
半年も海の上なのですね。クルーズのお仕事はとても面白そうだと思うのですが、実際にやってみていかがでしたか?
船という閉鎖的な空間で半年も同じメンバーで過ごすということは、この仕事を始めるまで想像できなかったことですね。これだけの期間寝食を共にすれば仲良くなりますが、親しくなったクルーと次の船でも一緒になれるとは限りません。以前乗船した時の上司がとても良い方だったのですが、もう会うことはできないかもしれないと寂しく感じたこともありました。クルーになってみて、改めて一期一会を大切にしようと思いましたね。
私たちにとっては旅は非日常であり、華やかで羨ましく思えますが、旅を日常の仕事にするというのはどのような感覚ですか?
旅のワクワク感は、もちろん常に持っていますよ。やはり、異国への期待感はいつになっても刺激的です。ただ、やはり仕事ではあるので、訪れてみて印象的だった場所へは、今度はプライベートで戻ってきたいと思っています。
グローバルな環境で学んだ、違いを認める力
働く上で、大変だったことはありますか?
唯一の日本人として、チームの人間関係や価値観の違いに直面し、悩んだこともありました。日本人はクルーの中ではマイノリティーなので、日本の常識が通じない中、どのように折り合いをつけるかが難しかったです。また、常に時差を感じること、24時間体制での勤務ということもあり、体力的にも大変な仕事だと思っています。
多国籍なメンバーのさまざまな価値観の狭間で、苦労されているのですね。そういった時はどのように解決するのですか?
相手を理解できなくても、また、反対に自分が理解されなくても、ある程度の割り切りが必要です。価値観が違うということを認めた上でお互いに尊重し合うことが、グローバルなコミュニティーの中で大切なのだということを身をもって学びました。
華やかで楽しそうに見えるクルーのお仕事ですが、やはり大変な部分が大きいのですね。日本に帰国したときはどのような気持ちになりますか?
日本の良さを改めて実感します。まずは、食事が美味しいことと、街が安全であることですね。また、半年の間に姪っ子たちが驚くほど成長しているのを見ると、その時間を逃した寂しさを感じつつも、会えた時の嬉しさは倍増します。離れているからこそ、家族や友人の温かさを改めて感じられるというのは、この仕事ならではかもしれません。
船の旅だからこそ出会える景色
これまで訪れた中で、特に印象に残っている場所はありますか?
アイスランドとブルネイです。アイスランドは、自分ではなかなか行かないような国でしたが、自然が本当に美しくて、行ってみて良かったと思いました。ブルネイも一般的にはあまり知られていない国なのですが、人々が温かく、街も穏やかで良いところでした。この仕事をしていると、自分の発想には無かったランダムな渡航先に行けるので、新たな気づきや感動を味わうことができるのも魅力です。
今後行ってみたい国はありますか?
南極にはやはり行ってみたいです。船でしか行けない場所ということもありますし、頭の中にある南極のイメージを、実際自分の目で見て確かめてみたいという思いがあります。
船の上で最も心が動く瞬間はどんな時ですか?
天気が良い日に船上から見る夕日です。海と水平線と夕日のコントラストは、良い意味で見慣れることがありません。どんなに嫌なことがあっても、この景色を見ると「明日も頑張ろう」というパワーをもらえます。

旅が教えてくれた、自分らしく生きるための視点
この仕事をしてよかったということは何でしょうか?
もちろん、さまざまな国を訪れ、美しい景色を見られるというのは1つですが、それ以上に、グローバルな環境に身を置くことで自分の価値観や考え方の幅が広がったということが大きいですね。先ほどお話したように、価値観の違いで苦労することもありますが、それを認められる鷹揚さやメンタルの強さというものが身についてきた気がします。
世界中を巡る中で、RIKOさんにとっての「旅」とは何でしょうか?
私にとって旅とは「自分を見つめ直す時間をくれるもの」です。私の旅のスタイルとして、旅先ではぎっしり予定を詰めるのではなく、ゆっくり過ごす時間を大切にしています。特に、クルーズでは陸の旅以上に時間に余裕を持つことができます。そういった時には、普段日常では考えないようなことに思いを馳せたり、これまでの歩みや将来について熟考し、自分自身を見つめ直すことにしています。また、新しい場所で新しい人に出会い、さまざまな価値観に触れることは、自分を違った角度から眺め、客観視することにも繋がります。旅するということは、世界を見ているようで、実は自分を見つめ確認する作業なのかもしれません。
クルーズ船での6か月の旅の荷物が気になります。スーツケースはいくつで、持っていく荷物のポイントは何でしょうか?
必ず持っていくものはありますか?
まずはお味噌汁とお茶漬けです。半年も日本を離れると日本食がかなり恋しくなります。食堂はビュッフェ形式ですが日本食はめったに出ないので、お米にお茶漬けをかけて食べています。また、家族の写真やぬいぐるみ、お守りなども持参し、マグネットがつくキャビンの壁に飾って自分らしい空間を作っています。キャビンの壁には、クルーズ中に撮った写真や寄港地で購入したステッカーを貼って、だんだん思い出が増えていくのも楽しみの1つです。
レジェンドウォーカーのスーツケース「5122」を選んだ理由を教えてください。
収納場所であるベッド下の隙間にぴったり収まる厚みだったことが決め手です。1個目のピンクの使い勝手が良かったので、2個目も同じものを買い足しました。
スーツケースのタイプで重視しているポイントは?
中には危険な場所からの乗船もあるため、防犯性を考えて、ファスナーよりもフレームタイプを選ぶようにしています。
スーツケースにたくさん貼られたステッカーには、どんな思い出がありますか?
お土産はかさばるので、寄港地ごとに国旗のステッカーを2枚買うようにしています。1枚はスーツケースに貼り、もう1枚は保管用です。剥がれかけたステッカーも、共に荒波を越えてきた旅の証だと思っています。
今後あったらいいなと思うスーツケースの機能などはありますか?
6か月もいると、最初は荷物が少なくても、お土産などで増えて重くなってしまうので、フレームタイプでもできるだけ軽いものがあると嬉しいです。
防犯性の高いフレームでありながら、重すぎない、ピッタリのモデルがありますのでご紹介しますね!本日は、貴重なお話をありがとうございました。次回はアラスカとお聞きしました。素敵な旅を願っています。
おわりに
半年間を海の上で過ごし、世界各地を巡るRIKOさん。華やかに見えるクルーズ船員という仕事の裏には、決して簡単ではない日々がありました。それでも彼女が旅を続ける理由は、まだ見ぬ世界への好奇心だけではありません。異なる価値観に触れ、新しい景色と出会うことで、自分自身を見つめなおし、成長する時間を得られるからです。
「旅するということは、世界を見ているようで、実は自分を見つめ確認する作業なのかもしれません。」
RIKOさんの言葉からは、旅が単なる移動ではなく、自分自身と向き合うための大切な時間であることが伝わってきました。次なる就航先はアラスカ。新たな出会いと発見を乗せた旅を、LEGEND WALKERのスーツケースと共に、これからも応援し続けます。
インタビュー:斉真希
ライター:藤井麻未
